• Skip to primary navigation
  • Skip to main content
  • Skip to primary sidebar
  • Skip to footer

suigaitaisaku.com

水害対策に情報を

  • 著書のご紹介
  • 渡邉俊幸について
  • 仕事の依頼
    • 原稿を依頼する
    • 講師を依頼する
    • アドバイザー業務
    • 業務実績
  • 読む水害対策
    • 【ステップ1】災害リスクを知る
    • 【ステップ2】防災対策を組む
    • 【ステップ3】情報で判断する
  • 寄稿記事
    • リスク対策.com
  • お問い合わせ

水害用BCPづくりの盲点

この記事の目次

  • 作成が進むBCP
  • 水害向けBCPの整備率
  • 初動確保の際にも防災情報が肝
  • 「見ればわかる」というけれど
  • 水害向けBCPの盲点
    • 関連記事

作成が進むBCP

皆さんの会社ではBCPを作成済みですか?

BCPとは災害時に利用する事業継続計画のことです。平成29年度に内閣府防災担当が実施した調査によると、アンケートに回答した大企業、中堅企業、その他企業の1985社のうちBCP計画策定済みの割合は大企業では64.0%、中堅企業は31.8%に達しているとのことです(「平成 29 年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」(報告書はこちら)より引用)。

水害向けBCPの整備率

ただし実態調査に回答した企業全てが水害を想定としてBCPを作っているわけではありません。報告書によると、水害をリスクとして想定している企業は大企業で43.2%、中堅企業で30.0%、その他企業で27.0%という具合だそうです。

立地的に水害のリスクはないので含めていないのだけならいいのですが、「水害リスクがよく分からないから含めなかった」というのでしたら問題です。実態調査の中ではなぜ水害をリスクとして捉えなかったのかまで質問していないため詳細は判別できませんが、ハザードマップや過去の災害履歴などで関係箇所(事業所の立地場所だけではなく、流通や従業員の通勤経路等も含む)で水害の危険性があるのであれば、ぜひ水害向けのBCPも整備していただければと思います。

初動確保の際にも防災情報が肝

さて、水害のBCPを実践的なものにしていく際にも防災情報の利用に精通しておくことが必要です。例として中小企業庁が公開している「中小企業BCP策定運用指針」(リンクはこちら)の中から、水害を対象とした初動体制のワークフローを取り上げてみましょう。

下の初動体制部分のフローを見ると「気象・水位情報等の収集(インターネット、テレビ、ラジオ、自治体等)」が一番上に位置しています。そうした情報に基づき「将来的な被災の危険性(土砂災害、浸水)」を見抜くとされています。そして危険性がある場合には、「従業員の帰宅準備」や「要援護者等の優先帰宅」などの行動が発生していきます。

中小企業庁「中小企業BCP策定運用指針」より引用(出典はこちら)

防災情報を読み解くことができるかということが、全ての初動対応のトリガーになっていることに注目してください。情報収集と収集した情報に基づいた判断の部分が満足に機能しないと、その後のアクションも機能しないことをこの図は暗に物語っています。

「見ればわかる」というけれど

中小企業庁作成の「中小企業BCP策定運用指針」では、風水害に対応するためのポイントとして、「情報源や情報の把握手段を把握することが重要」と挙げています。

中小企業庁「中小企業BCP策定運用指針」より引用(出典はこちら)

実はこれは防災情報へのアクセスだけに着目した考え方で、「情報は見れば分かる」ということを前提としています。ただ、情報を見てすぐに分かるのは信号機ぐらい情報がシンプルであれば可能でしょう。赤、黄、緑が意味することは明白です。しかし防災情報が伝えることはもっと複雑で多岐に渡っているため、見るだけ・情報源にアクセスするだけでは判別がつかない可能性があります(参照記事「防災情報とは」)。

水害向けBCPの盲点

「中小企業BCP策定運用指針」(リンクはこちら)の中では残念ながら防災情報の具体的な種類の解説や情報発表のタイミングに応じた行動の整理まで行なっていません。防災情報の利用がしっかりと整備されていないと、それは水害向けBCPの盲点になります。

皆さんがBCPを整備済みでしたらもう一度防災情報の部分を見直してみてください。これから水害向けのBCPを策定する場合は、誰が何をみていつどう判断するのかということまで整理しておくことをお勧めします。そうすることで、せっかく水害向けのBCPを作成しても、防災情報を生かした初動体制づくりまで踏み込んでおかなければBCP計画は絵に描いた餅になってしまったという事態を避けることができます。

関連記事

  • 水害対策マニュアル作りで避けたい「設計ミス」

    水害対策マニュアルの要は基準作り 水害対策マニュアルはいわば防災対策の設計図です。世の中には「設計ミス」という言葉があるように、設計を誤ってしまうと後から事故が発生してしまいます。 さて、水害対策マニ…

  • 行政から発表される避難情報の種類

    避難に関する情報 災害の危険性が高まった時には市町村長は住民等に対して次の情報で避難を呼びかけます。 避難準備・高齢者等避難開始(レベル3)避難勧告(レベル4)避難指示(緊急)(レベル4)災害発生情報…

  • 防災情報が防災対策に役立つ場面

    防災情報はどのように役立つか? 水害や土砂災害に備えて行う対策の中で、どういった場面で防災情報が活きてくるのでしょうか?この記事では3つの場面に分けて説明してみたいと思います。 人員の招集・配備体制の…

【執筆】『情報力は、避難力!』著者・渡邉俊幸

気象情報の利用やコミュニケーションに関する課題などありましたらお気軽にお問合せください。

最初のサイドバー

著書『情報力は、避難力!』


記事やオンライン防災セミナーなどでお伝えしてきた情報利用のノウハウについて1冊の本にまとめました。分かりやすく丁寧な説明により、順を追って豪雨や台風時の情報判断力を伸ばしていくことができる本です。

渡邉俊幸について


気象予報士・気象とコミュニケーションデザイン代表。個人や組織が気象情報や防災情報を使えるようになる方法を発信・提言しています。著書は『情報力は、避難力!』。危機管理とBCPの専門メディアでの連載の他、オンライン防災セミナーなどを実施中。オランダ在住。

プロフィール詳細

Tweets by wpcdnote

記事を探す

  • メール
  • Facebook
  • LinkedIn
  • Twitter

Footer

「気象災害の発生はゼロにはできませんが、気象情報やリアルタイムのデータを使えば災害が間近に迫っていることに気づけずそのまま被災することは確実にゼロにできます。」

渡邉俊幸著『情報力は、避難力!』(日本橋出版)|あとがきより

著書のご紹介

情報力は、避難力!

著者について

渡邉俊幸の経歴

読む水害対策

災害リスクを知る
防災対策を組む
情報で判断する

仕事の依頼

原稿を依頼する
講師を依頼する
アドバイザー業務
業務実績

気象情報が分かるようになる本

お問い合わせ

Copyright © 2025 · Maker Pro on Genesis Framework · WordPress · ログイン