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危機管理の現場にいた自分が当時知っておきたかったことをまとめた本
『情報力は、避難力!』は、天気予報の基礎も知らずに自治体の防災担当から民間気象会社に飛び込み、気象の専門用語に右往左往しながら身に付けた情報利用のノウハウを形にしたものです。
自治体では「防災情報や気象情報を使って避難してください」と呼びかける立場であったものの、気象会社に入ると状況が一転。同僚には大学院で気象学を専攻したような気象のプロがごろごろといて、自分自身が情報のイロハも分かっていなかったことを痛感しました。
しかし今振り返って見ると、「防災の現場経験はあるが気象分野は素人」という立場で気象のプロが行っていることを見られたことは結果的には大きなプラスだったと思います。なぜならプロの技を自分自身が吸収する過程を通じて、気象情報をどう利用すれば現場でもっと活かすことができるか一つ一つ確認していくことができたからです。
そうした気づきを原点とし、さらに海外で気象防災に関わった経験なども踏まえて書き上げたのが『情報力は、避難力!』です。この本には、何も分かっていなかった過去の自分が知っていれば随分判断の役に立っただろうという情報やノウハウを詰め込めるだけ詰め込みました。
本書の特徴
・本書の中で使い方を紹介している災害リスクに関する情報や気象情報、防災情報のうち主なものは次のとおりです。
ハザードマップ(計画規模・想定最大規模)、浸水実績図、家屋倒壊等氾濫想定区域図(氾濫流・河岸侵食)、浸水想定区域図(浸水継続時間)、土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域、大雨注意報・警報・特別警報、洪水注意報・洪水警報、顕著な大雨に関する情報、土砂キキクル、洪水キキクル、浸水キキクル、水害リスクライン、土砂災害警戒情報、氾濫危険情報等の指定河川洪水予報、強風注意報・暴風警報・暴風特別警報、暴風域に入る確率など→もし今の段階で馴染みのない情報があっても全て理解でき、実践に応用できるようになります。
・気象関係の本や防災の本などでは情報名の紹介程度ですが、本書では気象庁が発表する情報を中心に情報発表の基準として何が用いられているかを詳しく解説しています。このため、理屈が分かった上で情報の使い方を検討していけるように工夫しています。
・また、本書の中では地域で何ミリ程度の雨が降った時に災害が起こりそうかを調べる方法をまとめました。地域で災害が起こりそうな雨量は地域ごとに異なります。本書でお伝えした方法で自分の地域について調べておくと、予測などで使われる雨量の数字がより身近なものになることでしょう。
・本書の中ではシートに記入しながら使うべき情報を考えていけるようにしているのも特徴です。
本書によって見込まれる効果
異変に気づけないことはゼロにできます
必要な情報を見て自分で判断できるようになります
本書の目次
第1部 避難すべき災害とはどんな災害か?
・内水氾濫のリスクの調べ方
・中小河川の外水氾濫リスクの調べ方
・大河川の外水氾濫リスクの調べ方
・土砂災害のリスクの調べ方
・災害が起こりそうな怖い雨量の調べ方
・災害は影響で考えること
第2部 A案とB案で考える避難行動
・水害や土砂災害からの避難の考え方
・理想的な避難行動としてのA案とその阻害要因
・代替措置としてのB案
第3部 避難に情報を当てはめる
・災害発生のきな臭さを伝える第一報
・情報に現れる内水氾濫の手がかり
・情報に現れる中小河川の外水氾濫の手がかり
・情報に現れる大きな河川の氾濫の手がかり
・情報に現れる土砂災害の手がかり
・情報に現れる強風や暴風の手がかり
・気象レーダーと雨量で分かる危険な雨
お求めについて
一般書店への配本は現在のところ行われておりませんので、本書はAmazonにてお求めください。研修用途などでまとまった部数が必要な場合は、必要部数につきまして筆者までご連絡をいただければと思います。部数に応じて出版社と調整等を行い、返信を差し上げます。
メディアによる紹介
- 防災ニュースレター「Bosai Plus」2021年12月15日号