この記事の目次
防災情報はどのように役立つか?
水害や土砂災害に備えて行う対策の中で、どういった場面で防災情報が活きてくるのでしょうか?この記事では3つの場面に分けて説明してみたいと思います。
人員の招集・配備体制の検討時
防災情報を利用して危険性の高まりを事前に掴むことができれば、対応に当たる人員配置や配備体制について決定することができます。防災の担当部局で状況の監視を行っておけば良いレベルなのか、それとも幹部職員や他部局も含めて総動員で対応が必要となりうるのか災害に先立って判断する根拠となるのが防災情報です。
- 災害警戒体制や災害対策本部の設置
- 台風などの際の勤務体制・人員体制の事前検討
- 他の機関や上部組織などへの応援要請 など
対策開始の判断時
数時間から数日先にかけて何が起こりうるのかを示すのが防災情報です。道路冠水、内水氾濫、中小河川の氾濫、大河川の氾濫という具合に一般的には被害が拡大していきます。土砂災害の危険性も含め、取るべき対策をいつ開始するかという判断に防災情報が利用できます。
- 非常用発電機等の事前の動作確認
- 土のうや止水板の設置
- 避難などの判断
- 浸水に備えた重要書類、PC等の移動
- BCPの発動 など
危険性と危機の進展スピードの把握時
防災情報を利用するとリアルタイムの状況把握や数時間以内に起こりうることの予測が可能となります。内水氾濫や土砂災害の危険性の高まりや、河川の危険性などを判断することができるため、それに応じた対応を取ることが可能です。また、危機的な状況に急激に直面するか否かも判断できます。一刻を争う事態となっているのにその認識を持てずに被害に巻き込まれたという例はどの水害・土砂災害でも発生しています。防災情報を使うことで危機に気づかず被災するということはなくすことができます。
- 避難所に避難するのが危険な状態となるかの見極め
- 災害対策に従事するスタッフの安全確保 など
防災情報が活かせないとどうなるか?
もし防災情報が活かせない場合はどういったことが起こるのでしょうか?いざという時に人手が足りなかったり、ハード面の防災対策があっても使うことができなかったりします。また、避難途中などで被害に巻き込まれたりという事態も考えられます。
- 道路冠水などで職員が出勤できず、対応がままならない
- 責任者・管理者不在のため判断ができない。判断が遅れる
- 止水板などがあっても設置のタイミングを逃してしまう
- BCPや水害対策マニュアルがあっても計画通りに対応できない
- 危険な状態であるのにその認識が持てず、災害に巻き込まれて人命が失われる
- 被害に巻き込まれてから後追い的に対応する(被災した中では打てる手が基本的には限られる)
- 避難途中に危険に直面する
まとめ
今回の記事では防災情報が生きる場面という切り口でまとめてきました。災害対策を検討される中で防災情報の重要性について今一度確認をしておいてください。