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サイトによる情報量の違い
皆さんは注意報や警報の発表状況を何で確認されますか?
インターネットを利用して確認される方も多いと思います。テレビやラジオを防災情報の収集に利用するよりも豊富な情報にアクセスできるインターネットを利用してくださいと別の記事(こちらです)でお伝えしたのですが、見るサイトによっては情報量が少ない場合もあるという話を今日はしたいと思います。
情報量が少ないパターン
例として注意報の発表状況で比べてみたいと思います。まずは情報量が非常に少ないパターンを見てください。下のものがその一例です。

これは発表された注意報や警報の札をかけるようなものです。この例では山口県西部の下関市に、「大雨」「雷」「強風」「波浪」の注意報が発表されていることが分かりますが、それ以上の情報はありません。テレビの気象ニュースなどやラジオの放送などでもこの形式が見られます。
もしあなたがこのレベルの情報だけをインターネットを通じて収集しているとしたら、もっと役に立つ情報を見逃しています。
情報量が多いパターン
では次に情報量が多いものを見てみましょう。以下はYahoo!Japanの天気・災害のページにアクセスしたものです。この先いくつか例を挙げますが、全て同じような時刻にインターネットにアクセスして得た情報です。

ここでも下関市に出ている注意報の一覧が分かります。異なるのは大雨注意報に「!」が付けられていることです。このマークは、「今後、警報に切り替える可能性が高い注意報」であることを示し、状況が悪化していく見込みであることが分かる形になっています。また、「山口県では、土砂災害や低い土地の浸水、強風、竜巻などの激しい突風、落雷に注意してください。西部、中部、東部では、高波に注意してください」という予報文も付いているので最初に示した情報量の少ないバージョンよりは概況が掴みやすいと言えます。
さらに市町村名をクリックすると詳細な情報が出てきます。下関市を選択したものが次の図です。ここで新たに分かった情報としては、「15日朝までに大雨警報(土砂災害)に切り替える可能性が高い」ことです。また、警報級の事象が発生する見込みの時間帯も「今後の推移」のところで時系列で表されているため、特に警戒が必要な時間帯まで特定できます。さらに1時間最大雨量の予測も分かるので、ピークとなる時間帯が15日の未明からということや、雨の量的な予測も得ることができます。

最強の情報源
Yahoo!Japanの情報は見やすく整理されており入手できる情報量も豊富です。ですがそれを上回る情報が無料で公開されています。注意報や警報を出す当局である気象庁のホームページです。
以下は再度、下関市の例です。気象庁の気象警報・注意報のページ(こちら)から都道府県>市町村という順に選んでいくと次の情報が確認できます。

Yahoo!Japanバージョンがカバーしている内容はほぼ同じなのですが(Yahoo!Japanが気象庁からの配信情報を利用しているため)、細かいところでプラスアルファの情報があります。例えば「備考・関連する現象」のところに書き込まれた情報、風の風向や風速に関する情報、波の高さ(波浪)などの予測です。さらに、それぞれの情報が大雨のどのレベルに相当するかの説明も書かれていますので、わざわざ別のページで確認する必要がありません。


早期注意情報(警報級の可能性)
気象庁のサイトで市町村の情報を見ると下のように「早期注意情報(警報級の可能性)」という情報についても同じページで確認できます。これは今後警報クラスの気象現象が発生する可能性について「中」や「高」で示すものです。Yahoo!Japanの情報では暴風警報クラスの風となる可能性が「中」であることは分かりませんでしたが、早期注意情報(警報級の可能性)では言及されていますので、強い風に対する心構えもしておいたほうがよいということが分かりました。

何を見るかでここまで違う
これまで注意報を例に3つの情報源を挙げてきました。比較のために得られる情報を最後にまとめてみます。
■情報量が少ないパターン
注意報などの発表状況のみ
■情報量が多いパターン
注意報などの発表状況/警報に切り替える可能性が高い注意報に該当するかの情報/予報文による概況/警報に切り替える時間帯の見込み/時系列による今後の推移/1時間最大雨量
■気象庁の警報・注意報のページ
注意報などの発表状況/警報に切り替える可能性が高い注意報に該当するかの情報/予報文による概況/警報に切り替える時間帯の見込み/時系列による今後の推移/1時間最大雨量/備考・関連する現象でのコメント/風の風向や風速に関する情報/波の高さ(波浪)などの予測/相当するレベルの説明/早期注意情報(警報級の可能性)
インターネットを使って情報にアクセスしても、どの情報源を使うかによってこれほど差が出ます。普段から必要な情報はどこに豊富に揃っているのかという視点で防災情報に接していきましょう。