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入手できる情報量の差
「災害の危険性が高まったら、テレビ・ラジオ・インターネットなどで最新の防災情報を確認しましょう」という呼びかけを聞かれたことはありませんか?行政が住民に対してよく使うフレーズで、ハザードマップや市町村の広報誌などで目にすることがあります。
しかし、防災情報、特に防災気象情報に関して言うと、テレビとラジオ、そしてインターネットでは入手可能な情報量は天と地ほどにも違います。
インターネットを通じて入手できる情報を10として比較してみると、感覚的には次のようになります。
ラジオ:情報量はごくわずか テレビ:3から良くて6程度
テレビに幅があるのは、番組の作りや気象キャスターの力量によって情報量が変わるためです。ただし、どんなに優れたキャスターであっても放送時間という制約があるため、インターネットを通じて得ることができる情報の全てをカバーすることは不可能です。
情報へのアクセスルートに留意
ここで問題にしている情報量の違いという問題を言い換えれば、あなたがどのルートで防災気象情報にアクセスするかで、得ることのできる情報量の上限値が自ずと決まっているということです。
少しでも手がかりとなる防災気象情報を集めて組織にとって重要な意思決定をしなければならないとしたら、テレビやラジオだけに情報取得のルートを絞るのは得策ではありません。手に入ったはずの豊富で質の高い情報にたどり着くことすらできないからです。
テレビやラジオの情報では概況を知る
誤解しないでいただきたいのはテレビやラジオを利用して防災気象情報を掴むこと自体が無益だと言っているわけではないことです。テレビやラジオの気象情報を利用するときは「概況を掴む」というレベルで利用するものだと考えておきましょう。
テレビの場合、スイッチを入れ、気象に関するニュースを見るだけなので、情報を取得するときの手間や労力はインターネットで情報を探すよりも非常に小さいというメリットがあります。
台風の経路や各地の天気の移り変わり、レーダーによる雨の様子、今後の雨雲の動き、これまでの降水量、あるいは注意報・警報といった情報が一度に把握できるのがテレビのメリットです。増水した河川や時には決壊の可能性や決壊後の上空からの映像がいち早くテレビで報道されることもあるでしょう。
マスメディアのデメリット
しかしテレビやラジオなどのマスメディアにはデメリットもあります。皆さんが関係する地域を対象にした報道や気象の解説がピンポイントに提供されるわけでは必ずしもありません。
増水した河川の映像や水位が報道されたとしても、大雨によって影響を受けた河川すべての水位情報をテレビのニュースを通じて把握することは困難でしょう。雨量の面でも代表的な場所の雨量が紹介される程度で、その他の場所でどうなっているかはニュースとして上がってこない可能性があります。
インターネットで詳細を知る
本当に知りたいピンポイントな情報を得るには、インターネットを使って自ら情報を見に行きましょう。気象庁のホームページや都道府県・自治体の防災情報のページなどでは、雨や河川水位、土砂災害の危険性などに関するピンポイントの情報がリアルタイムで公開されています。携帯電話やパソコンなどを利用してこうした情報にアクセスすることで皆さんが必要とするタイミングでの情報入手が可能となります。