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浸水が深くなると住宅に何が起こりうるか?

この記事の目次

  • 浸水深と被害の様相
  • 想定される被害
      • 道路冠水から床下浸水(宅地基盤~50cm)の場合
      • 床上浸水(50cmから1m)の場合
      • 床上浸水(1m以上)の場合
      • 家屋が流出する規模の洪水の場合
      • 想定される被害のまとめ
  • 実際の被害例(床上72cmの場合)
  • まとめ
    • 関連記事

浸水深と被害の様相

洪水のハザードマップで浸水深を把握しても、そのレベルまで水が実際に来ると何が起こりうるのかを思い描くことはなかなか難しいものがあります。例えば床上50cm~1mの浸水と、床上1m以上の浸水では影響はどう異なってくるのでしょうか?

国土交通省が平成15年度に開いた「わかりやすい洪水・渇水の表現検討会」(こちら)という会議資料に浸水による戸建て住宅やマンションへの被害をまとめたものがありますので今回ご紹介したいと思います。

想定される被害

道路冠水から床下浸水(宅地基盤~50cm)の場合

下の図は検討会資料の中にあった「洪水による被害一覧」(こちら)から転載したものです(以下同じ)。

路面浸水(道路冠水)のレベルでは、マンホールなどから汚水が流出する被害が挙げられています。

宅地基盤から50cmまでのレベルで発生する床下浸水の場合は、戸建の場合は自動車やペット等への影響や床下の汚泥処理などが、マンションの場合はそれらに加えて地下駐車場の浸水、電気設備の浸水による全家屋停電、エレベーター停止、ポンプが止まることによる給水停止(水道やトイレなどの使用ができなくなる)が被害の例に含められています。

道路冠水や床下浸水の場合の戸建て・マンションへの影響
(国土交通省の検討会資料より)

床下浸水といってもマンションを中心として影響が大きくなる可能性があるため、床下浸水に対して脆弱性を抱えている場合は対策が必要です。

床上浸水(50cmから1m)の場合

一般的に言って、床下浸水よりも床上浸水の方が被害が甚大となります。

床上50cmから1mの浸水深の場合は、戸建住宅ではフロアコンセントが浸水することによる停電が起こり、畳、フローリング、じゅうたん、壁、断熱材、大型電化製品、家具などに被害が発生します。マンションの部屋が浸水した場合も戸建と同じような被害が出るとされています。

床上浸水(50cmから1m)の場合の戸建て・マンションへの影響
(国土交通省の検討会資料より)

床上浸水(1m以上)の場合

1m以上の床上浸水の場合は戸建て・マンションとも、キッチン設備や高いところの電化製品、衣類、布団などに被害が発生します。逃げ遅れの救出が発生してくるレベルでもあります。

床上浸水(1m以上)の場合の戸建て・マンションへの影響
(国土交通省の検討会資料より)

家屋が流出する規模の洪水の場合

氾濫した河川から流れ出る水の力により戸建て住宅の家屋流出が生じた場合、建物の全壊や転居、仮住まい、住宅ローン等の二重化などが見込まれます。マンションでも一部損壊や半壊が起こりうるとされています。

家屋が流出する規模の洪水の場合の戸建て・マンションへの影響
(国土交通省の検討会資料より)

想定される被害のまとめ

ここまでまとめた戸建て住宅やマンションの被害例についてはイラストでも紹介されています。視覚的にイメージしやすいのでお勧めです。

「家庭での被災想定〜浸水したときに、家の中ではどんな事がおこるだろう?〜」より
国土交通省作成(こちら)

実際の被害例(床上72cmの場合)

ここまでは国土交通省の資料を元に被害をまとめてきましたが、実際に被災すると何が起こったのかを2000年9月の東海豪雨災害を事例に述べていきます。ご紹介するケースは愛知県旧西枇杷島町内の戸建て住宅で床上72cmを記録した例です。

  • 電気は不通。家の中は足の踏み場のないほどにものが散乱。
  • 水によって持ち上げられた棚や冷蔵庫は倒れ、ソファーや寝具、押し入れにしまってあった品々、下駄箱の靴などすべて泥まみれとなり廃棄。
  • 水とガス(プロパンガス)は被災直後から使用可能。
  • 玄関のドアはもちろん、雨戸やガラス戸なども閉まらず戸締りは不可能。
  • 街の中は電気が一切ない。テレビで情報は取れずラジオ頼み。
  • 外付けの給湯器が水没したのでお湯が使えず、エアコンも室外機が水没したため電気の有無に関わらず使用不能。
  • 浄化槽のマンホールの蓋も流されて行方不明。
  • 水が引いた後は災害ごみと化した家具や身の回りのものを丈夫な土囊袋に詰め込んで家の前に出すことの繰り返し。
  • 被害を受けたすべての家で同じような作業をするため、車一台が通るスペースすらなくなるほど道路にはうず高く災害ごみが積み上げられる。
  • 畳は汚物を含んだ泥水を吸って大人4人でも持ち切れないほどの重さとなる。
  • 畳を処分して床下にたまった泥をかき出し、乾燥させる。
  • 壁は水没した高さまですべて落として塗り替える必要あり。
  • 近所のホームセンターやスーパーも水没していたので、復旧作業に足りない道具や食料の調達が不可能。
  • 災害ごみは公園へ運び込むように行政から指示されたので軽トラックでピストン輸送。
  • 電気は数日後に復旧。

床上1m未満でもこれだけの被害が生じます。水害体験記(例えばこちら)や水害時の写真、映像などを見ることを通じて、被害のイメージをよりクリアにされておかれると良いと思います。

まとめ

国土交通省の資料にある区分けや実例の通り被害が生じるのではなく、戸建て住宅やマンションの立地や内部の状況などによって被害の様相は変化します。また、床上浸水や家屋が流出する規模の洪水の場合は、今回ご紹介した資料では取り上げられていませんでしたが人命に関わる被害も十分懸念されます。それぞれの場所でどういった被害が生じるかについてぜひ改めて確認し、対策を検討しておいてください。

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【執筆】『情報力は、避難力!』著者・渡邉俊幸

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著者について


気象予報士・気象とコミュニケーションデザイン代表。個人や組織が気象情報や防災情報を使えるようになる方法を発信・提言しています。著書は『情報力は、避難力!』。危機管理とBCPの専門メディアでの連載の他、オンライン防災セミナーなどを実施中。オランダ在住。

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著書『情報力は、避難力!』


記事やオンライン防災セミナーなどでお伝えしてきた情報利用のノウハウについて1冊の本にまとめました。分かりやすく丁寧な説明により、順を追って豪雨や台風時の情報判断力を伸ばしていくことができる本です。

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渡邉俊幸著『情報力は、避難力!』(日本橋出版)|あとがきより

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