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浸水による事業者への影響
浸水の深さに応じて住宅やマンションの場合の被害が変わるように(記事はこちら)、事業者への影響も異なってきます。飲食店や工場を例としながら浸水深と被害例をまとめた一覧が国土交通省が平成15年度に開いた「わかりやすい洪水・渇水の表現検討会」(こちら)という会議資料の中にありますのでご紹介したいと思います。
道路冠水の場合
下の図は検討会資料の中にあった「洪水による被害一覧」(こちら)から転載したものです(以下同じ)。路面浸水(道路冠水)のレベルでは、マンホールなどから汚水が流出する被害が例として挙げられています。
床下浸水(宅地基盤~50cm)の場合
店舗や工場ともに床に近いところに設置された設備や機械に影響が出始めたり、営業停止や汚泥処理、消毒といった作業が生じたりします。
床上浸水(50cm~1m)の場合
床上浸水が発生すると飲食店の場合、壁や床、倉庫や事務所内に置かれた在庫商品、材料等にも被害が発生してきます。機械金属工場では各種の機械やフォークリフトなどへの被害、在庫商品や材料への被害も見込まれます。飲食店、機械金属工場ともに床上浸水の際には停電を想定しておく必要があり、復旧時点では掃除や消毒作業、災害ごみの処理なども行わなければなりません
床上浸水(1m以上)の場合
浸水深が深くなることでガス設備や高いところにある設備などにも影響が出てきます。機械金属工場の場合は有害物質の流出など環境へ与える影響も指摘されています。
地域で家屋の流出が起こる場合
水の勢いが強く地域で家屋の流出が起こるような場合では、廃業や閉鎖、ローンの二重化などの影響が例として挙げられています。
まとめ
今回の例では飲食店や機械金属工場の例でしたが、業種などによって水害の影響はそれぞれ異なってきます。床下浸水、床上浸水といったように条件を設け、それぞれのケースで発生しうる被害を想定してみましょう。他の地域で水害に向き合った同業他社の記録などもイメージを膨らませるときに役に立ちます。