日経新聞の記事によると、「災害時に自治体が発表する『避難情報』の見直し作業が難題に直面している」とあります(2020/11/7付記事)。
「災害が切迫し避難が手遅れな状況で命を守るための行動を強調すると、逆に『それまで避難しなくてよい』と受けとられかねないジレンマがある」(同紙)ということが懸念点だそうですが、この点について私たちはどのように考えていけば誤解なく情報が使えるのでしょうか。
私の見方では、まだ少し余裕のある段階で行う避難計画と、切迫した状態に対応する避難計画の2つを考え、それぞれに情報を当てはめておくことに尽きる思います。
気象情報や自治体からの情報の中には、まさに手遅れを示すような情報があります(大雨の特別警報など)。そうした情報が出ている時に無理に避難所へ移動しようとすれば、避難の途中で災害に巻き込まれてしまう可能性すらあります。
記事にある「避難が手遅れな状況で命をまもる」とあるのは自宅の2階以上に避難することや、崖側から離れた2階以上の部屋に移動しておくようなことを指します。こうした最後の手段というものも考えておき、手遅れを示唆する情報とリンクさせて考えておければ無理な避難という選択肢は除外されるはずです。
少し余裕のある段階で行う避難についても、何を手がかりにそう判断するのかという点を詰めておく必要があるでしょう。気象情報や防災情報は事前の段階から切羽詰まった段階をまで幅広くあるため、避難行動もそれらに合わせて少なくとも2パターンは用意しておきたいところです。