河川洪水を対象としたハザードマップを見ると、最大で何メートル浸水するかという情報を得ることができます。しかし考えてみると、近くで堤防が決壊して水が押し寄せる場合と、遠くで堤防が決壊する場合では水深も違うはずでは・・・。
実はまさにそのとおりなのですが、紙媒体のハザードマップではそこまで網羅して伝えきれません。このため一番深くなったらどのぐらい?という視点でハザードマップはまとめられています。
言葉だけでは分かりづらいので、厚生労働省の会議資料にあった浸水想定区域図(いわゆるハザードマップ)の作られ方のイラストをみてみましょう。全体の流れはこちらです。
1つ1つ簡単に確認していくと、まず1にあるように、想定される雨量と決壊する場所が設定されます。使われる雨量には、河川整備の計画目標の雨量や下の例のように「想定しうる最大規模の降雨」などがあります。決壊する場所は事前には分からないため、ハザードマップの計算時には上流から下流まで左岸・右岸ともに等間隔で設定されていきます(図の中の×の部分)。
そしてそれぞれの決壊箇所ごとに最大でどの程度浸水するかを計算し、求めていきます(図の2)。
最後に、影響がある決壊箇所と影響がない決壊箇所を全てまとめて図に落とし完成というわけです(図の3と4)。
市町村が配布するハザードマップはこのような過程を経て作られたものです。
個別の決壊箇所ごとにどの程度浸水するかを調べるには、国土交通省の浸水ナビを利用していくと良いでしょう。なぜかというと、浸水ナビ上では決壊点(下図の青丸)が一つずつ選んで想定を確認することができるからです。
浸水ナビについてはこちらでも詳しく解説していますので、ぜひご覧になってみてください。