• Skip to primary navigation
  • Skip to main content
  • Skip to primary sidebar
  • Skip to footer

suigaitaisaku.com

水害対策に情報を

  • 著書のご紹介
  • 渡邉俊幸について
  • 仕事の依頼
    • 原稿を依頼する
    • 講師を依頼する
    • アドバイザー業務
    • 業務実績
  • 読む水害対策
    • 【ステップ1】災害リスクを知る
    • 【ステップ2】防災対策を組む
    • 【ステップ3】情報で判断する
  • 寄稿記事
    • リスク対策.com
  • お問い合わせ

治水施設の限界と防災:東京都古川の例をもとに

9月に東京都港区の方を対象に行なったオンライン防災セミナーで、港区内を流れる古川という河川に整備された地下貯留池の話が話題になりました。

地下調節池のイメージ(東京都資料より*)

港区を流れる古川は流域面積が狭く、上流部の渋谷などで降った雨によりものの30分もしないうちに堤防すれすれの状態になることもある川です。過去には川沿いの低いところで浸水被害も発生しています。

古川が急上昇した例(東京都資料より*)

地下調節池は古川の水が増水した時に一時的に水を貯めておく施設です。水かさが増してくると図の取り入れ口から水が地下に流れ込む仕組みです。ピークの時の流量を減らすことができるので、護岸を超えて住宅地に流れ込むことをある程度防いでくれます。

水かさがました際には地下に流れ込む仕組み(東京都資料より*)

地下に流れ込んだ水は川の下に設置されたトンネル状の空洞にいったん貯水され、その後放流されます。

セミナー参加者の方によると、地下調節池の工事期間は長く、お金もたくさん使ったそうです。セミナーを受けるまでは「これが完成して、ようやく安心だ」と思っていたとのことですが、こうした施設ができた時には警戒を緩めていいのかしっかりと確認しなければなりません。

この地下施設は時間50ミリ対応を目指したものです。つまり、1時間に50ミリまでの雨であればこの施設で対応ができるのですが、逆に言えばそれ以上の雨はまだまだお手上げです。

地下調節池の効果。下線部は筆者による(東京都資料より*)

港区内やその周辺では過去のデータを見ると時間80ミリや100ミリクラスの雨も降っています。過去にその規模で降ったことがあるので、将来的にそうした雨に見舞われる可能性は排除できません。時間50ミリを大きく超えるような非常にまとまった雨が降れば、新しく作られた地下調整池でも抑えきれず、浸水被害が発生する可能性があると言えます。

今回の地下調節池だけではなく、堤防や排水ポンプ場などでも計画上の限界は必ず存在します。施設が対応しようとしている目標(言い換えれば限界)はどこにあるかを知識として持ちながら防災対策を考えていくことが重要です。

関連記事

  • 避難のリードタイムを考えるときに注意すべき点

    災害が迫ったときに避難をする場合、ご自身ではどの程度、所要時間がかかると考えていますか? 避難に必要なリードタイム(猶予時間)について検討するときには、避難先に行くという「移動時間」だけを考えるのはや…

  • 避難のプランAと避難のプランB

    警戒レベル4と5の対応の違い 2020年12月現在、避難勧告の避難指示への一本化や大雨警戒レベル5の名称変更の議論が大詰めを迎えています。レベル4とレベル5の違いを明確に打ち出すことも意図されているよ…

  • 「線状降水帯が発生しつつある」を伝える新情報

    線状降水帯に関する事前予測と直前の予測 梅雨の時期や台風などの際に線状降水帯により各地で大雨になることがあります。線状降水帯はラインもしくは帯状に積乱雲が連なったもので、同じような場所で強く降る雨が継…

【執筆】『情報力は、避難力!』著者・渡邉俊幸

気象情報の利用やコミュニケーションに関する課題などありましたらお気軽にお問合せください。

最初のサイドバー

著書『情報力は、避難力!』


記事やオンライン防災セミナーなどでお伝えしてきた情報利用のノウハウについて1冊の本にまとめました。分かりやすく丁寧な説明により、順を追って豪雨や台風時の情報判断力を伸ばしていくことができる本です。

渡邉俊幸について


気象予報士・気象とコミュニケーションデザイン代表。個人や組織が気象情報や防災情報を使えるようになる方法を発信・提言しています。著書は『情報力は、避難力!』。危機管理とBCPの専門メディアでの連載の他、オンライン防災セミナーなどを実施中。オランダ在住。

プロフィール詳細

Tweets by wpcdnote

記事を探す

  • メール
  • Facebook
  • LinkedIn
  • Twitter

Footer

「気象災害の発生はゼロにはできませんが、気象情報やリアルタイムのデータを使えば災害が間近に迫っていることに気づけずそのまま被災することは確実にゼロにできます。」

渡邉俊幸著『情報力は、避難力!』(日本橋出版)|あとがきより

著書のご紹介

情報力は、避難力!

著者について

渡邉俊幸の経歴

読む水害対策

災害リスクを知る
防災対策を組む
情報で判断する

仕事の依頼

原稿を依頼する
講師を依頼する
アドバイザー業務
業務実績

気象情報が分かるようになる本

お問い合わせ

Copyright © 2025 · Maker Pro on Genesis Framework · WordPress · ログイン