• Skip to primary navigation
  • Skip to main content
  • Skip to primary sidebar
  • Skip to footer

suigaitaisaku.com

水害対策に情報を

  • 著書のご紹介
  • 著者について
  • 仕事の依頼
    • 原稿を依頼する
    • 講師を依頼する
    • アドバイザー業務
    • 業務実績
  • 読む水害対策
    • 【ステップ1】災害リスクを知る
    • 【ステップ2】防災対策を組む
    • 【ステップ3】情報で判断する
  • 寄稿記事
    • リスク対策.com
  • 伝わる伝え方研究所
  • お問い合わせ

日本の防災情報の問題点

この記事の目次

  • 防災情報に欠ける具体性
  • 情報から分かること・分からないこと
    • 関連記事

防災情報に欠ける具体性

災害が迫った時に自治体や気象台、国などから発表される情報には具体性がかけたものが多く見られます。ここで言う具体性とは、「いつまでに」「何をすべきか」や「どの場所が影響を受けるか」といった情報です。

一つ例をみてみましょう。次の2つの図は国が管理する河川が増水した際に地域にエリアメールとして一斉に配信されるメールの文面です。

国は元々はこのようなメッセージを送っていました。

しかしこれが分かりにくいと言うことで、令和元年東日本台風の反省を踏まえ、「文章を簡潔にするとともに、重要な情報から順に記載」するとしました。改善されたものが次のものです(下図)。

いずれも国土交通省の資料より*

では、改善後の警戒レベル4相当の中の情報を抜き出してみましょう。


氾濫のおそれ
警戒レベル4相当
多摩川で氾濫のおそれ
田園調布(大田区)付近で河川の水位が上昇、氾濫が発生する危険があります。自治体からの情報を確認し、安全確保を図るなど速やかに適切な防災行動をとってください。今後、氾濫が発生すると、避難が困難になります


情報から分かること・分からないこと

さて、この文面では、いつ危険になるか、どこが危険になるか、どういった危険に見舞われるか、何をすべきかは具体的に語られているでしょうか?

「いつ危険になるか」には言及がありません。今すぐの話なのか、それとも数時間という猶予時間があるのかが不明です。「どこが危険か」については「田園調布(大田区)付近」とあるので書かれているように見えますが、田園調布が出てくるのは河川の水位観測所がたまたまそこにあるためであり、ピンポイントで田園調布が危ないという意味ではありません。これは、田園調布の水位観測所が代表している上流・下流・対岸を含めた区間が危ないということを意味しています。

「どういった危険に見舞われるか」については、「氾濫の危険」と述べていますが、発生すると何メートルぐらいの浸水が発生するのか書かれていません。さらにその浸水深が発生すると何が起こるかも「避難が困難」以外には手がかりがない状況です。「何をすべきか」は「自治体からの情報を確認し、安全確保を図るなど速やかに適切な防災行動を」と述べていますが、これも具体性を欠いた記述です。

例えばアメリカなどで発表される情報の場合はもっと詳しく、さらに具体的な行動に結びつく情報が入ってくるのですが、日本の場合はなぜか危機を漠然と伝えるだけで終わっているのが現実です。

こうした欠点が含まれているのが日本の防災情報です。自治体の発表する避難情報の中には、避難勧告などを発表した事実と対象の地区だけしか伝えないものすらあります。

行政が発表する情報は具体性を欠くのでそれだけを使って適切な行動を取るのはかえって至難の技です。このため、個々人や組織のレベルで情報が利用できるようになっておく必要性があると言えるでしょう。

関連記事

  • 大雨警戒レベルの名称変更に関する動き

    2020年12月現在、国のレベルで大雨警戒レベルの名称変更に関する議論が進んでいます。以下は現行の5段階ですが、見直しの対象となっているのはレベル3、4、5に関する点です。 気象庁のホームページより抜…

  • 線状降水帯の半日前の予測と今後の水害対策

    半日前の予報は2030年までにが目標 九州などに大雨をもたらす梅雨末期の線状降水帯。現在の予報では事前にこれを特定することは難しいとされ、予報技術の向上や改善が検討されています。そうした文脈の中で気象…

  • 避難情報の見直しと2つの避難

    日経新聞の記事によると、「災害時に自治体が発表する『避難情報』の見直し作業が難題に直面している」とあります(2020/11/7付記事)。 「災害が切迫し避難が手遅れな状況で命を守るための行動を強調する…

【執筆】『情報力は、避難力!』著者・渡邉俊幸

気象情報の利用やコミュニケーションに関する課題などありましたらお気軽にお問合せください。

最初のサイドバー

著者について


気象予報士・気象とコミュニケーションデザイン代表。個人や組織が気象情報や防災情報を使えるようになる方法を発信・提言しています。著書は『情報力は、避難力!』。危機管理とBCPの専門メディアでの連載の他、オンライン防災セミナーなどを実施中。オランダ在住。

プロフィール詳細

Tweets by wpcdnote

著書『情報力は、避難力!』


記事やオンライン防災セミナーなどでお伝えしてきた情報利用のノウハウについて1冊の本にまとめました。分かりやすく丁寧な説明により、順を追って豪雨や台風時の情報判断力を伸ばしていくことができる本です。

記事を探す

  • メール
  • Facebook
  • LinkedIn
  • Twitter

Footer

「気象災害の発生はゼロにはできませんが、気象情報やリアルタイムのデータを使えば災害が間近に迫っていることに気づけずそのまま被災することは確実にゼロにできます。」

渡邉俊幸著『情報力は、避難力!』(日本橋出版)|あとがきより

著書のご紹介

情報力は、避難力!

著者について

渡邉俊幸の経歴

読む水害対策

災害リスクを知る
防災対策を組む
情報で判断する

仕事の依頼

原稿を依頼する
講師を依頼する
アドバイザー業務
業務実績

気象情報が分かるようになる本

お問い合わせ

セミナーや新着記事のお知らせ

Tweets by wpcdnote

Copyright © 2023 · Maker Pro on Genesis Framework · WordPress · ログイン