河川沿いに住む方が避難すべき時とはどのような時でしょうか?一つの目安は川の水がこのまま増えれば非常に危なくなる時です。
堤防スレスレの状態ならギリギリセーフと思われるかもしれませんが、それは違います。
川の水が高い状態が続けば土で作られた堤防に水が染み込んで弱くなったり、堤防沿いの別の場所で水が市街地や農地などにあふれたりするかもしれません。
堤防は一見頑丈に作られているように見えるかもしれませんが、実はいたるところで問題を抱えています。整備が終わっておらず規定の高さより低くなっているところ、鉄道や道路の橋が低くて増水した水の流れをせき止めかねないところ、構造的に弱いところなど、普段は見えにくい問題が増水時には弱点としてあらわになるのです。
そうした堤防網の問題も踏まえると、やはり大幅に増水するような際にはためらわず避難すべきであると考えます。
河川が大きく増水していくか否かの事前の判断に役立つのは、中小河川の場合は洪水警報の危険度分布、大河川の場合は指定河川洪水予報などです。
ただしこれらの情報は発災直前に発表される情報の部類に属します。こうした情報を利用できたとしてもリードタイムとして確保できる時間は実質的に数十分から数時間程度以下といったところです。
避難にもっと時間を要する場合、河川に影響を与えるような雨量の雨が見込まれるという情報も積極的に利用し、早めに判断していくことが求められます。