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多岐に渡る防災情報
災害が発生しそうな時にはとても多くの情報が発信されます。
例えば台風が接近するときのことを思い浮かべてください。テレビの気象ニュースでは台風の経路や雨・風の見込みが伝えられ、気象台からは大雨警報や暴風警報などの情報が随時発表されます。大雨が降り土砂災害や河川の洪水の危険性が高まれば、土砂災害に警戒を呼びかける情報や河川水位の実況や予測を伝える情報が発表されることでしょう。自治体からは避難準備情報・高齢者等避難開始、避難勧告、避難指示(緊急)といった情報が必要に応じて発令されます。また、2019年からは大雨に関して災害が発生する危険度を段階的に示すレベル制度がスタートし、今後の推移に注意を呼びかけるレベル1から、命を守ることを呼びかけるレベル5までに分けて情報提供が行われるようになりました。
ここまで例として挙げた情報だけでも種類が多いのですが、細かく数え上げていけば数十種類以上の防災情報が関連機関から発表されています。
防災情報の意味
では改めて防災情報とは何でしょうか?
「これが防災情報である」という統一的な定義はありませんが、一般には自治体から発令される避難勧告や気象警報や河川水位などに関する情報を指すものとして用いられます。このうち、気象に特化した防災情報は「防災気象情報」と呼ばれることもあります。
広い意味の防災情報
私は防災情報を災害が発生する可能性を掴む際に手がかりとなる情報すべてという意味で使っています。気象情報や水位に関する情報、土砂災害に関する情報、自治体からの情報など、私たちがテレビやラジオ、インターネット、ソーシャルメディア、口づてなどを通じて入手できる情報全てが私たちのいう防災情報です。災害が発生する可能性を伝えるものであれば、誰が発表した情報かも、情報の種類も情報が伝えられるルートも関係がありません。
防災情報を広く捉えるメリット
防災情報を広く考えておくと情報の選択肢をその分増やすことができます。これは一つの情報源にすべて委ねた場合のリスクを減らします。
例えばあなたが防災情報を自治体からの避難勧告などの情報だけに限定して考えていたとしましょう。自治体から発令される避難に関する情報は、時に遅れたり、あるいは発表自体が見送られてしまったりする場合があります。防災情報を一つの情報に絞り込んでしまっていると、あなたはその影響をもろに被ることになります。
防災情報の視野を広げておいたらどうでしょうか?たとえ自治体発の情報が何らかの事情で機能しなくても、あなたは他の情報を使ってその穴をカバーすることができます。防災情報を広く考えて情報の選択肢を増やすことがリスクヘッジになるというのはそういうことです。
もしあなたが防災情報をこれまで狭い意味で捉えていたようでしたら、ぜひ広い意味で捉え直してください。そうするだけで、あなたが災害の進展過程で状況把握や意思決定に使うことができる手がかりの量が大きく拡大していくことでしょう。
狭い意味の防災情報 自治体からの避難に関する情報、気象台からの注意報や警報、特別警報、河川管理者等からの指定河川洪水予報、など 広い意味の防災情報(リスクヘッジのためにおすすめ) 災害が発生する可能性を掴む際に手がかりとなる情報すべて。狭い意味の防災情報に加えて、気象レーダーや水位・雨量などの観測データ、今後の雨雲の動きに関する予測情報、被害の発生情報などを含む |