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レーダーを見ることを習慣に
大雨が降る時にあなたは何をしますか?窓の外を不安げに見る方もいるでしょう。テレビの気象ニュースをつけて今後の予測を調べたりする方もいるかもしれません。「大雨が降ったら○○をする」という行動の中に、ぜひ気象レーダーを見るというものを加えてみてください。気象レーダーを見る事で今後雨がどの程度続くのか、危険な雨の降り方をしているのかなどを読み解く事ができます(関連記事:「気象レーダーで大雨の様子を見る際の10のポイント」(こちら))。
このような時にはレーダーを見る
レーダーを見るタイミングは必ずしも雨が降り出してからというわけではありません。次のようなタイミングでもレーダーをこまめに確認しておくと良いでしょう。
1. 「大気の状態が不安定」という予報を耳にした時
大気の状態が不安定というのは活発な積乱雲が急に発生しやすい状態であることを示します。「今日の夕方から大気の状態が不安定になり所により大雨」といったような情報を得た場合は、その時間帯に至る前から雨雲が発達してきていないかを見ておきます。
2. 雷注意報が出ている時
雷注意報も大気の状態が不安定で積乱雲が発達しやすい状況であることを示します。大雨注意報や大雨警報に先立つ形で注意を呼びかける旗のようなものが雷注意報です。
3. 空模様が変化した時
空が急に真っ暗になってきたり、急に冷たい風が吹き出したりするのは発達した積乱雲が近くにある証拠です。レーダーを見る事で雨雲の動きや強さ、雨の継続時間などが確認できますので、空模様に異変を感じたらレーダーを見ると覚えておいてください。
4. 周辺の地域・地方で大雨となっている時
先に雨になっている地域で大雨となっているようであればレーダーで自分の場所にも影響してこないかを見ておきましょう。例えばあなたは九州南部にいたとします。九州北部が大雨になっていると知った時は、その雨雲が徐々に南下して影響してこないかということを気象レーダーで確認しましょう。また、西から東へ移動してくる活発な雨雲などの様子もレーダーで確認する事ができます。台風の際にもレーダーを見て活発な雨雲がかかっている場所や今後の動きを確認します。
5. この雨はおかしいと思った時
「いつまでたっても雨がやまない」「圧迫感のある降り方の雨だ」「道路が冠水している」といった異常を察知した時にはレーダーで必ず雨雲を確認してください。同じところに強い雨雲が張り付いたようになっている場合は非常に危険です。そうした大雨が今後も続きそうなのであればさらに状況が悪くなると判断します。下の図は平成30年7月豪雨(西日本豪雨)の際に高知県で大雨の特別警報が発表された前後の雨雲の動きを気象庁の高解像度降水ナウキャストのデータを用いて動画にしたものです。暖色系で示された場所では10分間に15-20ミリ前後の雨となっていました。こうした土砂降りが同じようなところで継続すると大雨になるため土砂災害や河川の洪水などの被害が発生します。
まとめ
レーダーを利用して実況やこの先の雨雲の影響を把握することで早めに異変に気づく事ができれば、防災対策を打つための時間を稼ぐ事ができます。特に災害発生まで時間的な余裕がない内水氾濫や中小河川の洪水リスクなどが高い場合には積極的にレーダーを監視しておきましょう。